学校で声にならない、叫びが聞こえる
- At 10月 16, 2009
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アスペルガー症候群、広汎性発達障害、自閉症スペクトラムの傾向を持つ子供たちへ
学校で声にならない、叫びが聞こえる
「怖いよ」「うるさいよ」「何言っているの」「こんなところにはいたくない」
「嫌」って言っても、泣いても、すがりついても、分かってくれない。
どうやったら、ここにいることが苦痛であることを伝えられるの?
「嫌」ってそういう意味じゃないの? 泣くってそういう意味じゃないの?
「嫌」ってどういう意味? 「怖い」ってどういう意味?
大丈夫じゃないんだよ!
「大丈夫?」って聞かれて、「ウン」としか言えないの。
「ごめんなさい」とは言えるの。
でも、本当は違うんだよ。
私の声を返して、私の言葉を返して、言葉の意味をその場その場で変えないで
誰を信じたらいいの?
笑顔の人が苦痛をくれるの
「大丈夫」という人が恐怖をくれるの
私が一番ダメなんだよね。ごめんなさい。でも、泣きたいよ。
DS-ASD (ダウン症と自閉症スペクトラム)
- At 9月 14, 2009
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ダウン症と自閉症スペクトラムの合併または複合についての、記事を要約してみました。原典は、”Down Syndrome and Autistic Spectrum Disorder: A Look At What We Know”で、こちらのサイトからダウンロードすることが出来ます。
1.ダウン症と自閉症は、同一人物に共存するような症状ではないと、最近まで一般的には信じられてきた。
2.最近では、ダウン症の診断を受けている人にも、自閉症スペクトラム障害(ASD)や強迫性障害(OCD)のような診断もつくようになってきている。
3.現時点(2001年)でダウン症と診断を受けてなおかつ、ASDの診断を受ける割合は、1%から10%の間とされているが、著者としては、5−7%が妥当な数字であると考えているということ。
DS-ASDの特徴的な事がかかれておりますが、和訳は少し面倒なので英文のまま転記しておきます。
Children with DS-ASD were more likely to have:
• History of developmental regression including loss of language and social skills,
• Poor communication skills (many children had no meaningful speech or signing),
• Self-injurious and disruptive behaviours (such as skin picking, biting, and head hitting or banging),
• Repetitive motor behaviours (such as grinding teeth, hand flapping, and rocking),
• Unusual vocalisations (such as grunting, humming, and throaty noises),
• Unusual sensory responsiveness (such as spinning, staring at lights, or sensitivity to certain sounds),
• Feeding problems (such as food refusal or strong preference for specific textures), and
• Increased anxiety, irritability, difficulty with transitions, hyperactivity, attention problems, and significant sleep disturbances.
Other observations include:
• Children with DS-ASD scored significantly higher than their peers with Down syndrome alone on all five subscales of the ABC: sensory function, social relating, body and object use, language use, and social skills.
• Children with DS-ASD show less impairment in social relatedness than those with ASD only.
• Children with DS-ASD show more preoccupation with body movement and object use than children with ASD alone.
• Children with DS-ASD scored higher on all five subscales of the ABC than children with severe cognitive impairment alone.
• Among children with Down syndrome only, even those with severe cognitive impairment do not always meet the criteria for ASD.
ダウン症と自閉症スペクトラム
- At 9月 13, 2009
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ダウン症(DS: Down Syndrome)の診断を受けた子供の相談を受けていたら、 自閉症スペクトラム(ASD: Autism Spectrum Disorders)の症状に非常によく似ている印象を受けましたので調べてみました。
「ダウン症」「自閉症」「合併」と検索しても日本語ではそれほどしっかりしたサイトに出会うことが出来ませんでしたが、”Autism”と”Down Syndrome”である程度の情報がありました。
「Down Syndrome and Autism Internet Information Center」
http://www.disabilitysolutions.org/dsaiic/downsyndrome.htm
このサイトから、パンフレットをダウンロードできます。その中にある情報を以下に示します。
1.ダウン症と診断された子供のうち、5〜10%が自閉症スペクトラム障害も有するようである。つまり、10人から20人にひとりの割合である。
2.自閉症スペクトラム障害の方の診断は、平均的には9歳から14歳の間に判断されている。
「Down Syndrome and Autistic Spectrum Disorder: A Look At What We Know(ダウン症と自閉症スペクトラム障害 )」という論文(PDF)をこちらからダウンロードすることも出来ます。この内容はもう少ししっかりと読んでみますが、次のような参考文献を活用していましたので、探せばまだ情報があるようです。
1. Kent, L., J., Paul, M., and Sharp, M. “Comorbidity of Autistic Spectrum Disorders in Children with Down Syndrome.” Developmental Medicine and Child Neurology 41:154-158 (1999).
2. Howlin, P., Wing, L., and Gould, J. “The Recognition of Autism in Children with Down Syndrome: Implications for Intervention and Some Speculations About Pathology.” Developmental Medicine and Child Neurology 37:406-414 (1995).
3. Ghaziuddin, M., Tsai, L., and Ghaziuddin, N. “Autism in Down’s Syndrome: Presentation and Diagnosis” Journal of Intellectual Disability Research 36:449-456 (1992).
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)関係のドラマ
- At 8月 16, 2009
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広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)のことを視覚的に伝えたくて、このテーマをあつかったドラマを探してみました。近くのレンタルビデオには「光とともに」しかなく他のドラマを見ることができませんが、いずれも検索して調べるといずれも制作者が、自閉症スペクトラムのことを調べて取り組んでいるので、参考になりそうです。
唯一借りて見ることができた「光とともに」も、構造化支援や視覚化支援、話しかけ方など非常に良くできていると感じました。
「光とともに… 〜自閉症児を抱えて〜」 公式サイト http://www.ntv.co.jp/hikari/ フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』http://ja.wikipedia.org/wiki/光とともに…
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光とともに… ~自閉症を抱えて~ DVD-BOX 水橋文美江 バップ 2004-09-22 |
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光とともに… (1) 戸部 けいこ 秋田書店 2001-07 |
君が教えてくれたこと
公式サイト http://www.tbs.co.jp/kimioshi/
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/君が教えてくれたこと
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君が教えてくれたこと ともさかりえ, 上川隆也, 藤原竜也, 椋木美羽 TBS 2007-01-26 |
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君が教えてくれたこと 武田 百合子 光進社 2000-06 |
天使が消えた街
公式サイト http://www.tv-drama.com/2000-4-6/tenshi.html
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』http://ja.wikipedia.org/wiki/天使が消えた街
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天使が消えた街 VOL.1 堂本光一, 藤井フミヤ, 内田有紀, 酒井法子 バップ 2000-12-21 |
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天使が消えた街 VOL.2 堂本光一, 藤井フミヤ, 内田有紀, 酒井法子 バップ 2000-12-21 |
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天使が消えた街 VOL.3 堂本光一, 藤井フミヤ, 内田有紀, 酒井法子 バップ 2000-12-21 |
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天使が消えた街 VOL.4 堂本光一, 藤井フミヤ, 内田有紀, 酒井法子 バップ 2000-12-21 |
「自閉症だったわたしへ」ドナ・ウィリアムズ
- At 8月 16, 2009
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今自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)のことを興味深く調べています。一見不可解な行動をどのように理解していくのかという挑戦を、人類は受けているのだろうと感じます。自閉症スペクトラム圏内にいる人を愚鈍とみないしていくことがいかに浅はかなことであるのかということは、このような当事者の手記を読むことによって明らかになってくると思います。
一見明白なもの、当然なものを根底から疑ってみることは、絶えず意識し、自問自答することによってしかなされません。そのための気づきを広げていくためにはこのような本は非常に有効であると感じました。
また、学校で破壊的な行動や挑戦的な行動をおこなう生徒がいますが、この主人公もそのような状態があったようです。この関連性を通常は気づくことができません。教員を挑発し、暴力行動すらするような子どもに、自閉傾向を見いだすことは、そのことに対する知識がないと到底無理であると感じます。
診断名の問題ことですが、主人公のドナは内部に少なくとも二人の人格を小さい頃から作り上げていきます。社交的であるが破壊的な側面を有する「キャロル」と生き字引のような人物で、事実の世界に住んでいて、ひたすら知識を蓄積し続けてきた「ウィリー」です。この人格故に、統合失調症の診断を受けることになります。つまり、このような本を読むことによって、今までの診断に対しても疑問を投げかけることになることになります。
母親も非常に暴力的な人で、子どもへの愛情ということをしっかりと示すことができずにいました。虐待をしていた状態であったと言っていいでしょう。ドナは、母親にも自分と同じような側面を見いだします。現代の診断基準に照らし合わしたら、この母親は境界性人格障害として見なされる可能性があると思います。
このような文章を読めば読むほど、反社会性障害、多動性障害、統合失調症、境界性人格障害などの名称を与えられた人たちに、自閉傾向の側面が見えてくるような気がします。現時点では、どこでどのように区別したらいいのか私の中では明確になっていません。ただ、表面的な現象の陰に隠れているものの、自閉傾向がかなりの役割を持っているという印象を、今私は持っています。この辺のことは、カウンセラーとして仕事を続けていく以上、追い続けていきたいと願っています。
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自閉症だったわたしへ (新潮文庫) Donna Williams 新潮社 2000-06 |
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自閉症だったわたしへ〈2〉 (新潮文庫) Donna Williams 新潮社 2001-03 |
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自閉症だったわたしへ〈3〉 (新潮文庫) Donna Williams 新潮社 2004-12 |
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ドナ・ウィリアムズの自閉症の豊かな世界 明石書店 2008-11-28 |
女性とアスペルガー
- At 8月 16, 2009
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女性のアスペルガーについて調べようとしています。どの程度をアスペルガーとして診断できるのか、診断項目の羅列からでは感じ取ることができない領域をなんとか身につけていきたいですね。
次の本は、トニー・アトウッドの「アスペルガーと少女」というタイトルの本です。Amazon.comのレビューを読むと、賛否両論というところですね。主観性が強いというのが、この本の評価をしていない人の論旨なのかなと思いました。
私としては、「アスペルガー症候群の理解と具体的支援法 〜2004年 初来日講演抄録集〜」が参考になりましたので、読んでみたいと思っています。
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Asperger’s and Girls Future Horizons Inc 2006-12-31 |
こちらの本は、Amazon.comのレビューで、かなり評価が高いです。このジャンルに絞ったものを読んでみる価値があると思えます。
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Girls Under the Umbrella of Autism Spectrum Disorders: Practical Solutions for Addressing Everyday Challenges Liane Holliday Willey Autism Asperger Pub Co 2007-08-31 |
時間と予算の関係でなかなか変えませんが、こちらも興味をそそられます。
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Understanding the Nature of Autism And Asperger’s Disorder: Forty Years Of Clinical Practice And Pioneering Research Tony Attwood Jessica Kingsley Pub 2005-11-15 |
「ずっと『普通』になりたかった」
- At 6月 27, 2009
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外部からの刺激に対して、自閉症スペクトラム上に位置する人が内面でどのように感じ、どのように処理しようとしているのかのヒントを与えてくれると思います。
このような反応が内部であるというのは、読まない限り想像もできないことばかりですので、参考になると思います。おすすめしたいですね。
ただ一方で、自閉症スペクトラム上に位置する人は100人に一人ぐらいいると推定されています。自閉症スペクトラム上に位置すると診断される人が、この著者ぐらいのレベルの状態にあるのではない印象を持っています。もう少し境界域に位置し、診断もされにくいが、「普通」の、みんなと同じことをしていくのがつらいと感じている人たちについて、もっと知りたいですね。
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ずっと「普通」になりたかった。 Gunilla Gerland ニキ リンコ 花風社 2000-04 |
自閉っ子、こういう風にできてます!
- At 6月 15, 2009
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自閉スペクトラムの人たちにとって、世界とはこのような世界であったのか!と理解できる本です。
この本を紹介するのに、編集者が書いてあるところを引用するのがいいと思います。
(前略)様々な自閉スペクトラムの方たちと出会いました。そして、ますます自閉と身体機能の問題について知るようになりました。(中略)一人残らず、身体機能の不具合を抱えていました。性格に共通点はなくても、体温調節ができないという点は共通していました。しかも皆さん、それが自閉と関係あるという認識はしていらっしゃいませんでした。むしろ私との話を通じて、他の自閉症の方も「体温調節ができな」「血小板が少ないとお医者さんに言われている」などと聞いて、私もそうです。自閉と関係あるんでしょうかね」という認識に到るのです。 自閉症はまず、社会性の障害と言われます。でもそれは「こっち側の理論」でもあります。私たちの定型発達の人間が作り上げた社会では社会性が不可欠なため、それが身につきにくい自閉スペクトラムの人をみて、ああ社会性の障害なのだなあ、と思うわけでしょう。(中略)私は自閉スペクトラムの方々と過ごす時間が多くなるにつれ「この人たちにとっては『身体がつらい』障害なのではないか」という思いを強くするようになりました。しかも、ご本人たちはそれを言葉で表現しようとしません。(後略)
「雨が痛く」、「食べ物が怖く」、「歩くことを意識しないとできない」、「自分の体でも見えないものはあると思えない」、そのような世界観に読者を誘います。相手の実になって考えるという想像力を駆使して読んで欲しいと思います。
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自閉っ子、こういう風にできてます! ニキリンコ 花風社 2004-11 |
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続 自閉っ子、こういう風にできてます!―自立のための身体づくり 岩永 竜一郎 花風社 2008-12 |
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続々自閉っ子、こういう風にできてます!―自立のための環境づくり 岩永 竜一郎 花風社 2009-05 |
教えて私の「脳みそ」のかたち—大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく
- At 6月 14, 2009
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アスペルガーの本とADHDの本を読んでいくと、「このようなひともこの症状を持っていた」などのように双方の立場から同じ人物が紹介されているときがあります。たとえば、アインシュタインです。両方の状態を有するというのは、実際どのようなものであるのかうまく把握できていませんでした。
そのときにこの本に出会いました。ニキ・リンコさんは大人になってから自分はADHDだと思って、受診しますが、アスペルガー症候群の診断を受けます。しかし、自分にADHDの側面もあると理解しています。これが素人判断だけで無いと思えるのは、ニキ・リンコさんが翻訳家で、それもADHDや自閉症関係の本を訳しています。そのため、基礎知識に関しては、下手な医師よりもしっかりしていると思えます。
また、その症状がその人にとってどのようなものであるのかを理解するためには、非言語的な手段に限界があります。観察だけではどうしようもないので、その人がその人の五感を通じて感じている周りの世界について、言葉で語ってもらわなければなりません。しかし、その言葉で語るという行為は、これらの症状を持つ人たちにとってはそれほど簡単なことではありません。そのため、翻訳業ができるほど言語能力に優れている人が、自分のことを語ってくれていることを読むことは大変参考になりました。
おすすめします。
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教えて私の「脳みそ」のかたち―大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく 岡野 高明 花風社 2002-11 |
以下の本は興味がありましたので、メモとして載せておきます。
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「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み Daniel G. Amen ニキ リンコ 花風社 2001-09 |
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「わかっているのにできない」脳〈2〉エイメン博士が教えてくれるタイプ別ADD対処法 Daniel G. Amen ニキ リンコ 花風社 2001-09 |
ドクターサカキハラのADHDの医学
- At 6月 14, 2009
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ドクターサカキハラのADHDの医学 (学研のヒューマンケアブックス) 榊原 洋一 学習研究社 2003-11 |
ADHDという病気の曖昧さ
ADHDを理解する上で、この病気の「あいまいさ」を理解しておく必要がありますが、この本ではその辺もしっかり扱ってくれていると思いました。大体、3から5%の子どもがこのカテゴリに診断される可能性があるというのであれば、クラスで落ち着きがない様な子どもたちはほとんどADHDになってしまいます。ひとたびADHDという枠組みで子どもを見るとその他の要因が見えにくくなってしまいますので、ADHDという視点にとらわれてしまわないためにも、この疾患の曖昧さを理解して奥必要があります。
自閉症スペクトラムとADHD
アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラムから多動性、衝動性、注意欠陥を見ていくことができます。そのため、ADHD様症状に悩まされている子どもは、この領域の特徴を持っていることがあります。逆にADHDと両方を持っているという説明を読むこともあります。 今まで、この両者はどのような関連性、関係性を有しているかあまりしっかり理解していませんでしたが、この本で説明してある部分は参考になりました。また、この点において以下の本が参考になるようです。
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教えて私の「脳みそ」のかたち―大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく 岡野 高明 花風社 2002-11 |
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The ADHD-Autism Connection: A Step Toward More Accurate Diagnoses and Effective Treatments Diane Kennedy WaterBrook Press 2002-03-19 |
著者のダイアン・ケネディの子どもは三人男の子がいて、子どもたちがアスペルガーかADHD、または両方の診断を受けているという体験を元にこの分野のことをひもとこうとしているとのことでした。一度読んでみる必要性がありそうです。
ADHD側の資料でもアスペルガー側の資料でも名前が出てくる著名人にアインシュタインがいます。両方と見るべきなんでしょう。
リタニン(メチルフェニデート)の有効性
私は医師ではないので、この有効性についての情報をアクセスできませんでしたが、臨床的な経験と日本におけるリサーチの情報が紹介されています。そのリサーチでは、かなりリタニンの有効性が認められているということでした。その割には、処方してくれる医師があまりいないような気がしているのは、地域性の問題なんでしょうか?