EDとは,Erectile Dysfunctionの略で勃起不全のことである。このことを語ることは,男性にとってタブーである。しかし,本書によれば,日本の潜在的な患者数は一千万人に上ると言うことである。これだけ潜在的にいるのであれば,私が日々接している男性のなかにも必ずいるはずである。
本書では数人のEDのケースを紹介しているので,読みやすいし参考になると思う。本書のなかで興味深かったのは,以下の下りである。
「誰でも傷つくようなひどい言葉,たとえば『あなたはダメね』『インポね』『小さいわね』とか言われた人は少ないんです。第三者が聞いたら,『えっ,そんなことで傷つくか!』と驚くようなたわいない言葉を重大なこととして解釈してしまい,悩んでEDになる人が多いですね」
この例として,年上の女性と交際して,性交に及んだとき,女性からいろいろと指示されて,「この女性は僕よりもセックスがうまそうだ」と思いこんだため勃起しなくなったという男性をあげている。
やはりひとりで思い悩まないで相談することが必要だと容易に考えられる。
また,万能薬ではないが,バイアグラはかなり効くケースがありそうです。バイアグラは知っていましたが,その効果については知る機会が今までになかったので参考になりました。
タブーについては,公の場で話すことからはじめるべきであると思います。しかし,この話題はテレビでもなかなか取り上げないので,このような書物が果たす役割は大きいと思います。
男たちのED事情 豊田 正義 晶文社 2001-10 |