共感する女脳、システム化する男脳

性別からくる違いについて科学的な見地から述べている本です。同じ科学的な見地をまとめた

「話を聞かない男,地図が読めない女」とは異なり,女脳は共感性,男脳はシステム性を持っているという分類を提示して,その仮説の妥当性を検証しようとしています。ただし,本書内で著者が述べていますが,新たなステレオタイプ(偏見)を目的としているのではなく,男性の平均と女性の平均を比べたときに生じる差を検証しようとするものです。

興味深かったのは,システム(インプットとアウトプットが明確なもの)に対して男性が非常に心を奪われていくが,その極端なケースとして自閉症の例を挙げています。自閉の症状を有する人は,相手の感情を読む(共感する)ことを不得手とします。しかし,特定のシステム(数学,科学など)へ没頭していきます。この自閉症という症状を,バロン=コーエンが提唱するモデルで考えてみることは興味深いものでした。

男性と女性を考えていく上でのひとつのフレームワークとして非常に参考になると思いました。

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三宅 真砂子

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