一般的な会社において,内部の人間に対する呼称と外部の人間に対する呼称をしっかりと分けていく習慣がある。例えば,自分の上司は,外部の人間に対しては「さん」などをつけないで呼ぶ。
ところが「先生」と呼ばれる職業については,この習慣がどうやら別のようである。外部のものに対しても,内部の人間に対して「先生」とつけて呼ぶ。また,同じ組織に所属している人間同士も,「先生」とつけて呼ぶ。
このことは外部から来た人間にとっては違和感がある。そして,この違和感は慣れていくものでは無いような気がする。また,慣れていきたくないという気持ちもある。
同僚や誰にでも「先生」と呼ぶ何を問題視しているのかと自問自答してみるが,はっきりとした答えはない。しかし,先生という立場をいつでもどこでも通用するようなものではないという自覚を促したいという思いがある。また,「先生」とは,その人の能力や倫理的実践の上に成立するものであると思いたいので,ただ医師の資格を持ったからとか,教員に採用されただけで,「先生」になれたと思って欲しくないという気持ちもある。
単純に同僚であれば名前で呼び合いましょう,と主張したい。