著者の生島淳は、気仙沼高等学校の出身です。この本は、気仙沼向洋高等学校の司書の先生が薦めてくれました。
普段から物書きで仕事をしている人が書いたものですので、非常に読みやすく、気仙沼という土地についても概要を理解することができます。この町の生活について、被災体験と照らし合わせて、理解してみたい人は、一読する価値があります。
たとえ実の姉を失ったとしても、3.11の被災者としての立ち位置に悩む様子がよく描写されていると思いました。
私は、カウンセラーとして体験を聞くときに、自分の感情が自分の思考を支配してしまうことはありません。そのことをずっと気にしていました。それは、自分の感受性が鈍いという可能性があるのではないかと言うことです。
しかし、この本を読んで泣けました。職業という衣をまとわないで、物語を聞くことができるとき、そのストーリーに感情をゆだねることができるのだろうかと思ったところでした。
気仙沼に消えた姉を追って | |
生島 淳
文藝春秋 2011-11 |