『フーコー ― 他のように考え、そして生きるために』 神崎繁 (シリーズ・哲学のエッセンス)
何とかフーコーの著作に取りかかりたいと思うのだが、自分には理解できるのか不安なので、解説本を読んでいます。
このような解説本で、引用部分がしっかりしていると、読み手にとってうれしいものです。神崎繁氏はその辺を心得ているようで、読んでいて面白かった。
特に、ナラティヴ・セラピーでもよく使われる言葉である「好奇心」についての引用は、ここに記録しておくのに値すると思います。
私を突き動かした動機は極めて単純なものであった。然るべき人たちに目には、それだけで充分だと映るのであって欲しいような動機、つまり、好奇心である。だが、あくまでそれは、幾分ねばり強い修練を積む価値のある特別の好奇心である。つまり、知ると都合がよいことを手に入れようと探る好奇心ではなく、自分自身からの離脱を可能にするような好奇心である(快楽の用法)。(本書のp.1〜2)
フーコー―他のように考え、そして生きるために (シリーズ・哲学のエッセンス) | |
神崎 繁
日本放送出版協会 2006-03 |