本書を著者ご本人から贈呈して頂きました。本当にありがたいことです。その上、私たちの組織で、このアサーションを少しでも取り入れようとしていますので、たいへんタイミングよく手元に届きました。
本書の主題である「自他尊重のコミュニケーションであるアサーション」は、いろいろなレベルで理解できるのだと思いました。その名称から単に想像できるような表層的な理解から、そのコミュニケーションのことだけでなくその背後にある心理的・社会的要素を加味した理解まであります。
ハウツー本ものを好む人であれば、表層的な側面だけに留めておきたいのでしょうが、このアサーションをしっかりと理解するというレベルに達するためには、それだけでは事足りないはずです。この本では、そのレベルまで説明しています。
また、コミュニケーションにまつわるものは、その動的な部分(ダイナミックス)です。つまり、アサーションしているという決まりきった状態(定点)があるわけではないのです。平木さんは、この動的な部分も丁寧に説明使用していると思いました。このような動的なことを記述することの難しさは、単純さ、あるいは表面的なものに付随する明瞭さが失われていることにあると思っています。でも、本書では丁寧に説明していると感じました。
「アサーションとは何か?」ということ、突き詰めていけば、人と人とのコミュニケーションをどうしたらいいのかということについて考えるきっかけになる本だと思いました。お薦めです。