読了「『無知』の技法 Not Knowing」

本書のタイトルに惹かれて購入し、読んでみました。
# 無知の姿勢
「Not Knowing」、「無知の姿勢」は、ハーレーン・アンダーソンとハロルド・グリーシャンによって述べられているため、以前からよく耳にしていた言葉です。ハーレーンとハロルドは、「クライアントこそ専門家である」であるとみなし、無知の姿勢で、クライアントとの会話を紡いでいくのです。
この事については、次の書籍が参考になると思いますので、掲載しておきます。

# 『無知』の技法
この本書に期待したことは。上の概念を別の側面から理解できるのではないかということです。
ビジネス書において、何かを知ることではなく、知らないことに焦点を当てることは、パラドックスである一方で、とても刺激的な取り組みであると思います。
いろいろな例が集められていますので、そのことを知るだけでも、十分に読む価値が有ると思います。
# 「知っている」状態、「知らない」状態についての考察
ただ、残念なのは、「知っている」という状態と、「知らない」という状態の曖昧さや多様さに踏み込んでいるとは言えない気がしました。例えば、「知っている」と思ったことが、どれほど実はよく分かっていないことがあるのかということです。つまり、私たちが「知っている」と思っている状態がどれほど曖昧な状態を示すことなのかについての考察が不十分でした。
それは、既知の領域と未知の領域の境界線が非常に明確にあるように表現されていることからでもうかがい知ることができます。
私が、心理療法の領域、人の認知の領域で問題としたいことは、「知っている」と認識してしまっていることが、いかに「知らないことに満ちている」のかということなのです。
私は、既知と思っているもでも、実は知らないとことに満ちているとものであるという姿勢が、無知の姿勢であるという考えを持っていますので、そこまで踏み込んだ、考察が欲しかったです。
「知っている」ことを疑うという姿勢とも言い換えられるのかもしれません。


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