「ひきこもり文化論」

読むために求めてありましたが、なかなか機会が訪れなくて、読むことが遅くなってしまいました。

さて、このようなトピックを扱う場合に、わたしの中でなかなかなじむことができない論旨に、二元論があります。つまり、あれは良くて、これは悪いといった論旨ですね。ひきこもりのようなものも、この論旨で語ってしまいがちになりますが、この辺は非常に理解して論旨を展開されています。

「ひきこもり」を理解する上で理論面だけでなく、実践的な経験も加味していることから、非常に有用な一冊であると実感しました。ひきこもりという状態に関わる人には、必読の書であると十分思えます。

わたしの感覚に照らしても、しっくりいくところが多かったので、理論的なバックアップをもらったような感覚になれたことは本当に良かったと感じました。

ただ、一点だけ希望をいえば、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)との関連性について言及してほしかった。コミュニケーション、社会性、想像力の面で、ハンディを感じてしまうので、ひきこもり状態に陥ってしまう人たちの中に、含まれている可能性が十分にあると考えられます。

非常に明快な論旨を展開されるので、こちらのとの関連性も是非検討していただきたいと思いました。そのときにはまた読者になりたいです。

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