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未来のきみが待つ場所へ 先生はいじめられっ子だった

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宮本 延春

講談社 2006-12-16
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小学校から授業に全くついていけないうえ、かなり酷いいじめにあっていた著者が、中学校卒業後の出会いを通じて、定時制と通信制の高校に通い始め、その後大学、大学院とすすみ、現在は高等学校の教員になるまでの話です。ほとんどすべての漢字にルビがふられており、文字も大きな本なので、小学生から読むことができます。自分の可能性を見失いかけている人には、そこを再び照らしてくれるような気持ちになる本です。今、苦しんでいる人、苦しんだことがある人には読んで欲しいと思います。

この話は、いじめられた少年時代を送った人が人生の転機を迎えていくという物語として読み進めることは当然できます。しかし、私はこの著者の物語を「アンダーアチーバー」という視点で見てみたいと思います。

「知能偏差値を比較し、知能検査の結果に比して学業成績が良い生徒を『オーバーアチーバー』といい、その逆を『アンダーアチーバー』という。」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E8%83%BD%E6%8C%87%E6%95%B0

つまり、理解力などがあるはずなのに、学校の成績が伴わないことを示します。このような原因として、いじめ、発達障害、家庭環境などいろいろなことが言われていますが、このような子どもたちにしっかりとした注目をしていくことができない学校というシステムに注目したいと思います。

先進国といわれる国でこれほど画一的で多集団を対象とした授業をしている所はアジア圏以外にあるのかと思うほど、学校のクラスの人数は多く、学校の教員の数は少なく忙しい状況です。いま、将来のこと、子育てのことがいろいろと言われていますが、この辺にしっかりお金を投入していくことが不可欠であると思います。また、「学校の成績」という物差しで子どもたちを見ることを止める時期であると思います。言い訳のように「学校の成績だけで」見ていないという言い方をしてきましたが、学校の成績の位置づけを下げる試みは一切されてきていません。そして、その重みだけが残っています。

もはや、近代に入ってからの過去の学校システムを含めて、再生して欲しいことなどないと思っています。解決方法は、他国が長い年月をかけて試みてきた成果を活用できる時期にあります。

この著者は、特別支援の対象になっているべき子どもでした。その特別支援で救われる子どもたちが数多くいるはずです。しっかり、ここを押さえていく教育を望んでいます。最後は少し脱線しました。

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