書きたがる脳 − 言語と創造性の科学

「ハイパーグラフィア(hypergraphia、The Drive To Write)」とは「書かずにいられない状態」で、筆者は次のように定義する(p. 41)。

1.大量の文章を書く

2.外部の影響よりも強い意識的、内的衝から生まれる

3.書いたものが当人にとって哲学的、宗教的、自伝的意味を持っている

4.文章が優れている必要はない

「作家はなぜ書けるのかという他に、なぜ書きたがるのか、それどころかなぜ書かずにいられないという疑問に、神経科学と文学の両方から取り組めるであろうか?(中略)

 だが、それは研究は不可能なほど複雑ではない。神経学者ハイパーグラフィア(書かずにいられない病)を生み出す脳の特定領域の変化を発見している。何が文学的想像を促し停滞させるのかを、直感に頼らない神経学的方法で調べると、ハイパーグラフィアよりもっとありふれた、だがつらい対局である書きたくても書けない状態、つまりライターズ・ブロックの新しい治療法がわかるかもしれない。どちらの状態も、コミュニケーションしたいという基本的な生物学的欲求に複雑な異常が生じることによって起こる。言語学者と科学者の大半は主として作家の認知の側面に注目してきたが、本書では書くことと感情とのもっと入り込んだ関係を探ろうと思う。(p.10)」

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吉田 利子

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