今まで,グローバリゼイション,環境破壊,所得格差を前にして,今後のことについてなんの枠組みも方策も感じることができませんでした。ただ,絶望感を感じているのみでした。資本主義が少しもよいものとして感じることができないにもかかわらず,誰もそのことにして批判し,代替のことについて述べていないと感じていました。
しかし,柄谷行人はこのことについての模索をしてくれています。カントとマルクスを軸に,現代社会を読み解いていく過程は,私にとって新鮮で,目から鱗が落ちる気がしました。
今後のことについては,まだ私の中で実体のあることとして感じることができていません。しかし,柄谷常人が示していることの可能性をもう少し考えていきたいと思っています。
世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (岩波新書) 柄谷 行人 岩波書店 2006-04 |