“Parentify”, “Parentifying”, “Parentified”, “Parentification”という言葉は、日本語訳としてまだ定着していないようです。
“Parentify”という動詞の意味を少し調べてみました。まず、一般の辞書には載っていませんので、比較的新しい言葉のようです。または、専門用語過ぎるのでしょうか。
この動詞の持つ意味は、「親化させてしまう」「親の役割につかせてしまう」という様な意味で使われます。たとえば、His parents parentify him.
そして、親のように振る舞うように期待されそのように振る舞うようになっている子どもを、”Parentified Child” または “parentifying child”と読んでいるようです。私の感覚としては、前者の使い方のほうが、しっくりいくような気がします。
さて、日本語ではどのような訳を当てるべきなのかですが、「擬成熟」「親子役割逆転」という言葉はネットから見つけました。他に可能性のある用語として、「頼りになる子ども」「家の大黒柱としての子ども」「母親(父親)のような子」「頼りになる子ども」の様な言葉が思いつきます。病理的なものの名称として用語を当てるのであれば、「親子役割逆転」「擬成熟」あたりなのでしょうか? “Role Reversal”という言葉も同じような意味で使用しているようです。
次の論文で、この用語に関する経緯を説明しています。まだ全文読んでいませんが、概要を把握するのにはよいような印象を持ちました。
書籍もいくつか出ています。
Burdened Children: Theory, Research, and Treatment of Parentification Dr. Nancy D. Chase Sage Publications, Inc 1999-05-25 |
Lost Childhoods: The Plight of the Parentified Child
Brunner-Routledge 1997-04-01 |
インターネット上である程度概要をまとめてあるものは、次のサイトです。
http://www.divorcerecovery101.com/kass18.html
一方で開発途上国に行けばいくほど、大人になる年齢が低くなりますので、絶対に悪いことであるという視点をもっていいものかどうかを考えるゆとりが必要そうです。この用語に対する個人的な体験(決してネガティヴなことだけでないもの)をつづってくれているサイトがありますので、参考に出来ます。
http://yoliesworld.blogspot.com/2007/01/parentified-child.html