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3・11あの日のこと、あの日からのこと―震災体験から宮城の子ども・学校を語る

 「あの日」のことについて、いろいろな体験を綴った記録です。その時のことは、今となっては少し冷静に読むことができますが、そのときの情景が頭に浮かべるように読むと、どうしても感情が出てきます。

 

この本が、「あの日」に何が起こったのかについての資料として、また、後世の人に伝えていくときに大変貴重なものなることは間違いないと思います。

 

ここまで、震災に関する、いくつかの本を読みすすめてきて、後でまとめて文章にしたときに、一種の生々しさがなくなり、臨場感が失われる部分もあると思いました。これは、このように本として編集する際に、極端な表現などを使うことができないこともあるでしょうし、学校という存在がそのような部分を出すことを嫌うこともあるかもしれません。つまり、本当は書きたかったことも、もっとあったのではないだろうか、ということです。

 

また、あの日に「その場」にいた経験は、読み応えもあります。ところが、このような本を編集し、コメントや意見などを書く人にとって、どのような立場で文章を書くべきなのか難しい判断があるのだと思いました。「何を書くか」という視点よりも、「どの立場から書くか」という視点の難しさです。このことに気づいている人の文章は、よく分かります。

そして、意見を述べようとして、この震災のことをまとめようとすると、この震災の影響の大きさを枠で区切ってしまい、その規模を表現しきれなくなります。かといって、何も述べることなしに、この震災のことを表現できないのです。この表現の難しさなのだと、感じました。

 

 

 

3・11あの日のこと、あの日からのこと―震災体験から宮城の子ども・学校を語る
3・11あの日のこと、あの日からのこと―震災体験から宮城の子ども・学校を語る みやぎ教育文化研究センター日本臨床教育学会震災調査準備チーム

かもがわ出版 2011-09
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目次

1 あの日のこと

つぎつぎに高いところへと避難―職員みんなが自分で考えて動いた
カーテンを毛布に―図工の作品も作文も敷物がわり
850人が校舎に孤立―ラジオ局にくり返しメールを送り救助を待った
雪の中に銀紙にくるまり―抱き合って過ごした

2 あの日からのこと

4か所に分かれて授業―移動の困難、狭さ・暑さのなかで
通学に時間がかかり授業早退も―科目の減少は進路にも影響
バスで片道40分の移動教室方式―でも友だちと会える喜び
被災地とそうでない地域の「温度差」
震災であらためて見直された学校の存在・教師の役割
10歳での阪神・淡路大震災の体験と学生ボランティア活動
子どもと共に歩みー子どもの過去と未来をつなぐ 

3 子ども・学校・地域

現実を見、聞き、感じ考え自らに問いつづけること
「避難場所」と「教育施設」―災害時における地域と学校
泥とがれきに埋もれたままの故郷・石巻を取りもどすために

教師の語りを聴いてー地域と学校の「復興」の哲学を探る

あとがきにかえてー子どもを原点とする教育の再生を