10月に日本に戻るときに、移動時間が長いためアマゾンで注文し、自宅に送ってもらったものですが、結局日本ではあまり読めずに、ニュージーランドに戻って読み終えました。
本書は、哲学を主に勉強していないものにとって、哲学というものがたどってきた歴史を俯瞰してするためにたいへんありがたいものでした。
形而上学というわけの分からない言葉も、「超自然的」というもともとの意味に照らし合わせて提示してくれることもありがたいことでした。形而上学という言葉が出るたびに、その文字から何かを想像できずに、途方に暮れるような気持ちになっていましたので。何度も辞書で調べたことがあるにもかかわらず、自分の言葉になってこなかったのは、その文字が提示する意味が会っていなかったのでしょう。
それから、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉がなぜ重要なのかについても、今まで聞いた説明において、いちばん分かったような気持ちになれました(分かっていないところもたくさんあるのでしょうが)。
もっとも私が好感を持てたのは、著者の学問に対する姿勢です。著者たちの文章を読み、それに自分が考察を加え、分からないところ、腑に落ちないところは、そのように伝えることのできる姿勢がありました。この姿勢に習ってきたいと思った次第です。
おすすめです。
反哲学入門 (新潮文庫) | |
木田 元
新潮社 2010-05-28 |