本書を読む必要性を感じたのは、私が関係する領域の近辺から「レフ・ヴィゴツキー」の名前を度々聞くようになってきたからです。それは、昨日今日に始まったのではなく、少し前からあったのですが、ヴィゴツキーに着手する切っ掛けがつかめないでいました。
そのような中で、英語教授法あるいは第二言語習得の分野でこのヴィゴツキーの理論を積極的に取り入れていろいろと研究しているワイカト大学の教授ロジャー・バーナードと一緒に釣りに行き、その車中で何時間もこの事について教えて貰う機会を得て、やはり、ヴィゴツキーのことに取り組まないといけないという気持ちになりました。必要なことに気持ちを向け続けていれば、やがて機会は訪れるものであると、思った次第です。
さて、本書を書いた柴田義松氏は、ヴィゴツキーの著作の大半を翻訳した方です。翻訳という作業で得られるレベルの理解と、ただ読むということで得られるレベルの理解は異なるので、安心してヴィゴツキーのことを読み進めることができました。本書では、ヴィゴツキーの言葉を相当量引用して、読者にヴィゴツキーの思想を案内してくれます。これほど適切に引用できるのはやはり著書を翻訳したらからであると思えます。
このブログで、参考になったところをまとめようとしましたが、現時点で学ぶところが多すぎてうまくまとまりません。そのため、もう少し細かくテーマを決めて、少しずつプログに書いていこうと思います。特に、障害児教育、すごく刺激的です。
本書の構成
第1章 心理学におけるモーツァルト
第2章 新しい心理学方法論の探究
第3章 話しことば・書きことば・内言の発達
第4章 生活的概念と科学的概念の発達
第5章 思春期の心理
第6章 芸術教育論
第7章 障害児の発達と教育
第8章 教育における環境と教師の役割