【ナラティヴ・アプローチ】人と組織は、なぜ〈問題〉の共犯者になってしまうのか?

人と組織は、なぜ〈問題〉の共犯者になってしまうのか?

〜 ナラティヴ・アプローチをビジネスに応用するWS 〜


人が問題ではなく、問題が問題なのだ。

ナラティヴ・アプローチでは、個人であれ、チームであれ、組織であれ、自分の人生を切り拓いて、生き抜いていける資質、資源、能力が必ずや自分のなかに存在しているということを絶対的に信じているというところがあります。

自分のなかに眠っていた可能性を揺り起こし、内側から静かに力が漲ってくる感じをぜひ体験しにいらしてください。


日時:2016年7月18日(月・祝)

   10:00〜18:00

場所:浜松町駅付近(お申込後に詳細な場所をお伝えします)

参加費:一般:20,000円

    早割:16,000円

定員:30名

申込方法: http://peatix.com/event/175349

概要:

今回は、発祥の地ニュージーランドでナラティヴ・セラピーを学び、日本語でのナラティヴの実践を重ねている国重浩一さんの一時帰国に合わせてのワークショップです。

このワークショップでは、ナラティヴ・セラピーの考え方を応用して、組織開発やチームビルディングへの新たなアプローチを探求します。

問題解決をする前に、私たちと問題との関係性を丁寧に見ていくことで、結果として問題の解決がふっと浮かんで見えてくるような新しい視点を提供します。

ナラティヴ・セラピーについて詳細に学びたい方は、7月9日(土)・10日(日)に開催される日本キャリア開発研究センター主催の以下の講座の受講をおすすめ致します。

ナラティヴ・セラピー入門

http://jicd.net/?page_id=212

※上記の講座とこのワークショップの両方を受講される方には割引があります。

講師:

国重浩一

ニュージーランド・ワイカト大学カウンセリング大学院修了

現在、ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランド マネージャー

日本臨床心理士、ニュージーランド・カウンセラー協会会員

主著

 「ナラティヴ・セラピーの会話術」

 「震災被災地で心理援助職に何ができるのか」

訳書

 「サボタージュ・マニュアル」

 「ナラティヴ・アプローチの理論から実践まで」

 「ナラティヴ・メディエーション」

 「心理援助職のためのスーパービジョン」

 「ナラティヴ・セラピストになる」

 「精神病と統合失調症の新しい理解:地域ケアとリカバリーを支える心理学」など

詳細内容:

『問題は、関係性のなかで生じ、維持される』

私たちの身の回り、特にビジネスの文脈では、次から次へと課題や問題が持ち上がってきて、私たちは、日々、それらの対応に追われ、〈問題〉を解決することに、心を砕いて身を粉にしています。

しかし、これこそが、私たちが〈問題〉にハマっているということを表しています。

〈問題〉を解決するように取り組めば取り組むほど、「問題がある」というストーリーの存在意義にエネルギーを注ぎ込んでいるからです。

こうして〈問題〉は、より強固に、私たちの目前の〈問題〉として居座るようになります。

この時、私たちの間で〈問題〉の存在が大きくなっていくのと同時に、私たち自身も「〈問題〉を抱えている組織(個人)」という立場に追い込まれていきます。

私たちのアイデンティティに〈問題〉が染みこんで、私たちは〈問題〉の共犯者となり、いつしか私たちは〈問題〉と同一化してしまいます。

こうなると、私たちは〈問題〉の物語のなかで、「〈問題〉を抱えた組織(個人)」として生きているため、〈問題〉を中心にして、世界のすべてが回っていきます。

殊に組織のなかでは、個人が〈問題〉の物語が抜け出ようとしても、〈問題〉の中に連れ戻されてしまうということも起こります。

どうすれば、私たちは〈問題〉との共犯関係から脱して、私たちを中心とした世界を生きることができるでしょうか?

『人が問題ではなく、問題が問題なのだ。』

ナラティヴ・セラピーでは、私たちと同一化してしまった〈問題〉を私たちから引き離して、私たち自身と〈問題〉自体の関係性に眼を向けます。

私たちは、問題があると、多くの場合、「私たちの○○が悪いのだ」「組織の体制が原因だ」と自分の中に問題があると捉えがちです。しかし、ナラティヴでは、自分の外に〈問題〉があり、私たちは、その〈問題〉に「望ましくないこと」をさせられているという立場を取ります。

さらに、ナラティヴ・セラピーでは「語り」と、その「語り」のなかで「語られている」あるいは「語られていない」私たちの自己像/アイデンティティに注目します。

「語り」のなかでは、「語られていること」だけが存在します。私たちが〈問題〉のことや「〈問題〉を解決しようとしている私たち」のことばかりを語っている時、そのストーリーには「〈問題〉にハマっている私たち」ばかりが登場します。

逆に「語り」のなかでは「語られないこと」は存在しません。いくら組織や個人に色々な側面があり、豊かな可能性を秘めていたとしても、表現されず話題にあがらなければ、無に等しいことになってしまいます。

しかし、私たちは〈問題〉にハマっているだけの存在ではありません。

個人の記憶の中にも、勇敢に〈問題〉に立ち向かっている〈私〉がいるかも知れません。チームや組織なら、影であなたの活躍を見ている人がいるかも知れません。「あの時のあの人の支えがあって、いまの私がある」というようなエピソードが語られないままに、胸の内にしまってあるかも知れません。

ナラティヴ・アプローチでは、個人であれ、チームであれ、組織であれ、自分の人生を切り拓いて、生き抜いていける資質、資源、能力が必ずや自分のなかに存在しているということを絶対的に信じているというところがあります。

「語り」を拡げていくことで、ストーリーに登場していなかった色々な豊かで複雑な側面を発見していき、本当は人生の底に存在していた可能性の広がりを拡げていくのです。

この過程で面白いと思うのは、必ずしもポジティブな語りだけが希望に繋がるというわけではないというところです。語っていくなかで、時として、自分のなかではネガティブでどうしようもないと思っていたことが、希望につながり、大きな推進力になっていくことがあります。

自分のなかに眠っていた可能性を揺り起こし、内側から静かに力が漲ってくる感じをぜひ体験しにいらしてください。

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