「現代思想の冒険」
竹田青嗣著
ちくま学芸文庫
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本書は、現代の哲学をできるだけ多くの人に開かれたものとして提示することを目的としています。そのため、できるだけ平易な言葉で、現代思想を綴っています。
実際に、なんとかわかると思う気持ちで読めますので、社会構成主義やポスト構造主義を理解しないといけない人は一読をおすすめします。
特に、専門家というディスコースについていろいろと考えている私にとっては、文庫版あとがきがよかったです。
フーコーが言うように、近代に入って〈知〉が精度や権力に占める割合はとてつもなく大きなものになった。権力は武力以上にイデオロギー的「正当性」に依拠するようになったらだ。だが、現在社会では自体はもっと進んでいて、権力は〈知〉と結びついているというより、むしろ〈知〉こそ権力の実質そのものになっているように思える。
なるべく話を簡単にすると、人は横暴な暴力〈権力〉に対しては反抗することができるし、犯行の理由もはっきりと持つことができる。しかし、〈知〉の力に対してはこのことが難しい。
中略
要するに、現代社会では物事を疑うことすら専門的な〈知〉に頼らざるをおえないようになっているのだ。
専門的な〈知〉が現代社会のシステムの核をなしていることは、誰もがうすうす感じている。しかし、この専門的な〈知〉の「真偽」や「よし悪し」を適切に判断することが一層困難なことなのである。
以下も重要なくだりが続きますが、続きは、本書を購入して読んでみてください。
一読の価値があります。