「すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい」

自分の中にある言葉の音が、正しいものではないときでも、間違いであると言い切れないものもあります。それは、たとえば方言の問題であったりもするでしょうし、その言葉が「本来の音」をだけでなく、複数の音のバリエーションを持つにいたったものもあると思います。

「凄まじい」という言葉があります。私の中で、この言葉の音は「すざまじい」というものでしたが、うまくパソコンで変換してくれないので、おかしいなと思って調べてみました。

「三省堂国語辞典」について説明を加えているWikipedia(ウィキペディア)では、次のような記述があります。

「すさまじい・すさましい・すざましい・すざまじい」 いずれも、実際にある語形である(「すさまじい」の項目に列記されている)。これらの語形をすべて収録した辞書は、いまだにないと思われる。実際に用例を確認しなければ、このような記述はできない。第3版から収録された。(リンク

 

漢字を当てると「凄まじい」となります。語源由来辞典で調べてみると、本来は、「すごい」とかいった意味ではなく、「つまらないさま」を表す言葉であったということです。

凄まじい すさまじい  語源由来辞典

 

このような音が一度自分の中で確立してしまうと、分かっていてもなかなか修正できなくなります。人と話して気になるというよりも、パソコンで変換してくれないときに、このようなことを知っていると助けにはなります。「雰囲気」という言葉をタイプするときには「ふいんき」ではなく、「ふんいき」と気をつけることができるようになったように。