教員の採用システムについて

教員の採用試験に合格することは大変難しくなってきているが,この難しさの質について疑問を投げかけたいと思う。

当然枠に対して,何倍もの応募があるのであるから,採用する側は教員として適した人材を採用することができる状況にあるはずである。地域によっては,採用枠に対して10倍以上の中から人材を選択できるのである。

ところが,現場から聞こえてくる声は,この採用に対する疑問であると同時に,採用されない人に対する疑問である。なぜこのような採用となるのであろうか?なぜこのような人が採用されてこないのであろうか?

ここで,現在の採用試験のあり方や内容が,現場で必要とされている人材を選択するために本当に有効であるのであろうかという疑問をもう一度しっかりと考えておく必要がある。

私が考えるのに,少なくとも小学校と中学校の教員に問われる教員としての質で一番重要なものは,人と関わる力である。生徒とその保護者と,そして他の教員と対話しながら,関わる力である。

ところがこれは決してペーパーテストや短時間の面接が苦手とすることである。つまり,これらの試験では分からないのではないだろうか?ペーパーテストは人との関わりなんてしていない方が勉強時間がたっぷり取れたりするので,人と関わるのが好きなような人は逆に不向きなのでは無いだろうかと考えたりもする。また,面接はどのような人でも短時間であれば,演技なり,自分の気持ちをHighにさせてこなすことができるのである。

それならばどうすればいいのかという問いかけに対して,私は比較的簡単で単純な答えを用意している。

それは,仮採用の時期を2〜3年間設ければいいのである。本当に基本的なペーパーテストを実施し,その後仮採用していく。そして,現場の上司がその職員対する本採用の決断をする際にレポートなり,採用打合せに参加すればいいのではないかと思う。

これは現場の声も採用に反映されていくので現場との一体感も生まれてくるのではないだろうか?