ADHDの息子を持つ母親の書いた本である。この手の本は自分の体験のことが優先されすぎて,一般性を欠いてきたり,科学的な視点が不十分になってしまう可能性がある。しかし,この本は,自分の体験を素直な視点で語っていくことにより,この家庭における子育ての苦しみや難しさを伝えることが出来ているうえ,ADHDの科学的な視点も加えることを忘れていない。そのため,ADHDの子供を育てたり,教育する上でのよいガイドラインになってくれる本である。
また,著者の夫も自分はADHDであるという気づきを子供と関わる上で出てくる。ADHDと言う視点で自分自信のことも気づいていく。このことにおける回想が一部で紹介されているが,興味深いものであった。 お奨め本です。
中古の本がかなり出回っていると思います。
手のつけられない子 それはADHDのせいだった Mary Fowler 沢木 昇 扶桑社 1999-12 |