シーラという子 − 虐待されたある少女の物語

この虐待を受けた子供ことについての小説は,知っていましたが,なかなか読む機会をもてませんでした。しかし,ブックオフによったところ,なんと105円で売っていたので購入してみました。

まず,トリィ先生がシーラと関わっていく様子,その試みと挫折感,しかし最終的には子供が変化していく様子は感動的でした。しかし,このシーラに起こったことに想いを寄せるとその傷みは苦しい限りです。

情緒不安定な子供への接し方について書かれている本はあまりにも理想的すぎると感じるし,現実的には関わる方が生身の人間であるということを無視しなければならないかのような錯覚を受けてしまいます。

トリィの関わりは,生身の人間として,しかし子供という存在の可能性を信じる人間としての関わりであると感じました。続編の「タイガーと呼ばれた子」を読みたくなりました。

また,アメリカという社会の歪みというものがこのような子供を見つめていくことによって見えてきます。いわゆる格差社会です。日本もこのようなところにいくのでしょうね。

発達障害などを持つ子供たちのサポートも全然違うような気がしましした。10名の子供を持つときには,それを支援するためのスタッフが用意されるようです。うらやましい限りです。

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原書が安いです。この値段で買うことはなかなかできませんので、英語の勉強にいかがでしょうか?

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